| 2010年 12月 |
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今年も三笠、山崎ワイナリーの収穫ボランティア募集受付の当社。 後で聞いた話では、今年は特にメルロ種の作柄が良かったそうです。今年から大学を卒業し家業を手伝う次男、太地さんは、収穫に参加した皆さんをまわり色々アドバイスをしています。 幼稚園だった頃は一時間も作業をすると葡萄のつまみ食いにも飽きて畑で遊び回っていた息子は、小学校3年生になり昼の1時過ぎまで皆と同様に収穫の手伝いが出来るようになりました。朝は雲一つ無かった空に11時ぐらいから少しずつ雲が増え始め、昼を過ぎると一雨来そうな空模様。こうなると時間との戦いです。1時過ぎには何とか収穫を終え、山崎さんのログハウスの中で特製カレーライスをご馳走になっているとスコールのような雨が降り始めました。 この食事の際に、貴重な醸造途中のワインを試飲させていただきました。9月に収穫を終えたバッカス種は、発酵もほぼ終わり白ワインの味わいに近くなっています。このバッカス10年は09年と同様に残糖感が少なめで、中口タイプになるのでしょうか。次に試飲したケルナー10年はアルコールが約半分の5%程しかなく、まだ白く濁っています。味わいは残っているブドウ糖の甘さと品種特有の豊かな酸味が心地良く、この年のケルナーも例年と同様に安定した品質を感じさせました。 そして赤ワインは昨年09年産ピノノワール種で、タンク違いによる2種類を試飲。まずは通常のフィルターを通して澄んだ状態の物。冷夏だった昨年の物とは思えない完熟感と穏やかな酸味に驚きました。次はフィルター無しのピノノワール09年、瓶底にハッキリとオリがあり少し濁っています。味わいは旨味成分の量がフィルター後の物より豊かで元が同じワインだったとは思えない出来。私、個人的にはこのノンフィルターの味に興味を持ちました。 太地さんは軽トラックで収穫した葡萄を醸造所に運び入れ皆より遅れて食事を始めましたが、私が味わいのコメントを言い始めると食事を止めて広報担当者になります。「09年ピノに関しては、昨年出来る限り収穫を遅らせ完熟を待ったのと、醸造担当の兄、亮一さんがアルコール発酵の後に起こるマロラクティック発酵(ワインの酸味が穏やかになる)の扱いがさらに上達したため」と嬉しそうに説明してくれました。 一方、兄の亮一さんとお父さんは昼食をサッと済ますと、直ぐに醸造所に戻っていきました。帰る前にワイナリーの直売所に寄ると、お母さんと妹さんはにこやかにお客様を出迎えています。ご存じの方も多いでしょうが、山崎ワイナリーのラベルに描かれた5枚の花びらは家族5人の指紋をモチーフに描かれています。まるでラベルの花の様に山崎家の5人が一つになって働く姿こそが、山崎ワインの美味しさの秘密だったのでしょう。
さて、今月のおすすめワインです。 一方、ブルゴーニュからはアラン・グラ家の本拠地、サン・ロマン村の白08年とロッシュ・ド・ベレーヌのブルゴーニュ規格の赤でヴィエイユ・ヴィーニュ(古木の葡萄)02年。共にブルゴーニュ産でふくよかな果実味が楽しめてこの価格帯はかなりお得だと思います。特に02年産の方は村名が付かない規格でありながら8年経ても枯れた感じがしないのはたいしたものです。 輸入元にて欠品していたアルザス地方テュルクハイム村協同組合のワインがやっと入荷しました。安くて美味しいアルザスといえばここは絶対に外せません。特にゲヴュルツトラミネール種は、特有の華やか香りとふくよかな味わいで一番人気です。 フランス以外ではイタリア、トスカーナ州・クエルチャベッラのキャンティ・クラシコ07年。定価3,900円が年末まで特価になりました。名門クエルチャベッラのワインをこの機会に是非お試し下さい。 私が好きな熟成したイタリアの安旨ワインでしたらモンカロ社のロッカヴィヴァ ロッソ・ピチェーノ05年。普通、この価格帯ですと08年か09年産が多いですが、赤はせめて5年は熟成させた物を味わいたいと思っている方にお薦めです。インパクトのあるタイプではありませんが、お食事と共に味わっていただくと美味しさがしみじみと感じられるでしょう。
藤井 敏彦 |
| 2010年 10月 |
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9月の休業日にワインショップフジヰとフジヰ食料品店のスタッフで、余市の葡萄栽培農家さんを見学して来ました。一軒目は千歳のグレイスワイナリーとドメーヌ・タカヒコに葡萄を納入されている木村さん。二軒目は念願の余市で畑を購入し、今年から葡萄を植え、ワイン醸造所も完成したドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さん。 二人の農家さんが力を入れるのはフランスの黒葡萄ピノノワール種です。 北海道でもワイン用の葡萄栽培は増えて来ていますがまだまだ少数派、水田や畑の中に時々垣根仕立ての葡萄畑が点在する感じです。ところが果物の町、余市では逆に水田や畑はなく、見渡すと周りは果樹園だらけ。特に蘭島寄りの登(ノボリ)地区は垣根仕立ての葡萄畑が連なっており、ちょっとフランスのコートドールのような風景です。 二十数年前、鰍ヘこだてワインが数軒の契約農家さんに、当時は育つかどうかも解らないピノノワールの苗木を斡旋しました。この品種は栽培が難しく収量も低いため今は別の品種に植え替えた農家さんも多いそうですが、余市の木村さんはこの品種に将来性を感じて少しずつ栽培を増やして来ました。 一方まだ30代の曽我さんは、今まで有名なココファーム(栃木県)で葡萄栽培と醸造を行ってきた方。原料葡萄が地元の畑では足りない為、醸造長だったアメリカ人ブルース・ガットラヴ氏と共に全国の産地を回って葡萄の買い付けを行って来たそうです。その彼が選んだ場所が北海道の余市だったのです。 余市は果物とニッカのウィスキー工場で知られる町。ニッカの竹鶴氏が工場を余市にした理由の一つは、ウィスキーは製造後から出荷まで数年の熟成期間が必要で、その期間の売り上げ確保に地元名産のリンゴで100%ジュースを作り販売していたそうです。1934年設立時の会社名は「大日本果汁梶v。これを略した「日果(ニッカ)」がウィスキー名の由来です。 昔から果実の町として王道を行く余市。しかし近年、ワインに関しては空知地方が注目され、私が応援する三笠市の山崎ワイナリーだけではなく鶴沼ワイナリー、宝水ワイナリー、中澤ヴィンヤードと素晴らしいワインが出来はじめています。さらに前述したブルース・ガットラヴさんも、今、岩見沢市に暮らし葡萄を植え始めています。 現在日本の葡萄畑の総面積は約2万ヘクタール。ただ生食用が多くワイン用は約一割の2千ヘクタールと言われています。そして北海道のワイン用葡萄畑の総面積は、先駆者の十勝ワインと、おたるワインで知られる竃k海道ワインのおかげで、全国の約半分にあたる千ヘクタールにもなりました。特に余市では本州企業のワイン用葡萄の買い付けが急激に進み、地元ワイナリーが入手困難になって来たと言われる程です。 ワインショップフジヰでも販売の多くは輸入ワインですが、私自身は地元のワインに特別な思い入れがあります。皆さんも地元の食材でごちそうを作った時、たまには北海道産のワインを合わせてみてはいかがでしょうか。 さて、今月のおすすめワインです。 赤では南仏でヌーヴォー・モンドが造るコトー・デュ・ラングドック00年。シラー種とムールヴェードル種からの強くスパイシーな味わいが10年を経てこなれ、アニマルっぽい熟成香が開いてきました。イタリアからは86番ロッカ・ディ・モリのコペルティーノ・ロッソ03年。暑かった03年らしく豊かな果実味が今もたっぷりで、更なる熟成も可能でしょう。 でも、今月のイチオシはアンヌ・ボエクラン(アルザスの協同組合のブランド)でアルザス・グランクリュの97年産リースリング種と、99年産ゲヴルツトラミネール種(完売)からのワイン。共に熟成香だけで酔ってしまう程の魅力がたっぷり。更に味わいは酸化や枯れた感じが微塵もなく、これこそ芳醇と言える味わいです。ぜひこのワインをお試し下さい。
藤井 敏彦 |
| 2010年 9月 |
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先日メロンを箱でいただく機会があり、うちのスタッフと分けた所私の分が残りませんでした。何も考えず家に帰るとメロンの情報が息子にまで伝わっており、メロンが無いと大騒ぎ。仕方なく翌日私が買ってくることになりました。まずはメロンを何処で買うかです。スーパー?あるいは少し高くてもデパート? ふと思いついたのが、得意先のバーテンダーさん達がレモンやライムを買っている「サンフルーツ」011−221−6827。場所は「ドンキホーテ狸小路店」の1階・狸小路側で、40年以上前ここが「サンデパート」だった頃から続く老舗の果物屋さんです。メロンは安い物から高い物まで各種揃っていました。 店のお兄さんに「今日食べたいので熟した物はどれですか?」と聞くと、1玉1,500円の中からオレンジ色っぽい玉を一つ選んでくれました。よく見ると同じ1,500円のメロンでも緑がかった色調で編み目模様がハッキリとある物から、オレンジが色目で編み目模様が薄れた物まで様々です。 買ったメロンを家内に渡し、その日私は残業でした。翌朝、息子が満身の笑みで「メロンごちそうさま」と私を起こしてくれました。朝、私もそのメロンを食べましたが、果肉がジュクジュクしていて完熟した甘さで一杯です。後日、私は気になりスーパーのメロン売り場を見に行きました。確かに1,000円以下でメロンがたくさん並んでいますが、みんな同じ緑色なので新鮮なのはわかりますが今日食べるには適さない気がしました。 これが専門店とスーパーマーケットの違いなのでしょう。業種は違えども同じ小売業として「サンフルーツ」さんの目利きと的確なアドバイスに感銘を受け、うちも更なる努力をしなければと感じました。
さて、今月のおすすめワインです。 まずはボルドー好きにはシャトー・ボーモン04年と、カマンサックのセカンドワイン。私の好みではもう数年待ちたいですが、今ですと瑞々しい果実味がたっぷりと楽しめます。それとお安くなったシャトー サント・コロンブ04年は6年を経て熟成感が開き始めてきたのでお値打ちです。 でも、今年の暑さではやはり白。ピスルーのシャブリは熟成した04年産。樽に入れなくてもミネラル豊かな白は熟成することを身を以て体験出来ます。私の好みは07年特有の酸味が楽しめる、アンブロワーズのサンロマン村のシャルドネ。暑いときにはメリハリの利いた酸味が一番です。あと見逃せないのがマッソーネのガヴィ08年。2000円以上するガヴィがこの価格で、しかも果実味と酸味がうまく調和しています。 もう少し涼しくなったら、リオハアルタの03年と、ベッカーさんが造るドイツのピノノワール種をゆっくりと味わいたいですね。 そのベッカーさんが札幌に来て伺ったお話しは驚きました。代々所有する畑は家のまわりに3カ所あったのですが、第二次大戦後に国境線が変わり2カ所の畑がフランス領アルザス地方になってしまったそうです。目の前にありながら外国となった自社畑に入れたのは、長く交渉を続けて10年後だったそうです。 1955年、雑木林となった自身の畑に入ったお父さんは、残っていた白のリースリング葡萄を断腸の思いで伐採し、新たにピノノワール種を植えました。本来ドイツワインとフランスワインを混ぜるとECターフェルワイン規格になりますが、元々は同一地区だったことが認められ、仏領の葡萄を使っていてもドイツ・ファルツ地区のワインとしてラベル表示が例外的に認められたそうです。 |
| 2010年 8月 |
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今月は久しぶりに車のお話しです。 90年生まれの愛車ルノー・キャトルは今年で二十歳。当然、色々なところにガタが来ています。電気関係では点火系統に問題があるようで時々ぐずり出すようになりました。 さて、たまにはこぢんまりとした温泉にでも、、、と話していると、息子がプール付きの大きな温泉に行きたいと言い出したので登別温泉に行くことになりました。10時過ぎに出発し、問題なく昼前に高速を降り、登別の厚生年金病院を越えて目的の宿まであと数100メートル程の所、急にエンジンがせき込み出したと思ったらストンと止まってしまいました。 その後、セルは回ってもエンジンはウンともスンともいいません。すると家内は「とうとうキャトルともお別れだねえ〜」の一言。自動車保険のレッカーサービスに連絡をして、2時間弱で迎えが来ることになりました。電話を受けた方は、地方だと外国の車の修理は難しいので札幌まで運びますかと言われました。登別から札幌までは約130キロ。保険の契約では35キロまでは無料ですが、後は実費ですから5〜6万円はかかります。 キャトルを迎えに来たレッカー車は、長い荷台をスルスルと後方に下げながらスライドしてすべり台のスロープのようにセットします。愛車にロープをかけウインチで引っ張りスロープを登らせてから固定すると、荷台を定位置に戻して作業完了。途方に暮れているお父さんの横で、初めてのレッカー作業を見た息子は興奮状態。ところで札幌ではレッカー専門の業者さんが来ますが、今回は室蘭の「ボデーオート菅原」という修理工場の社長さんが来てくれました。荷台に乗せる前にエンジンの様子を見て、確約は出来ないが古い車を得意とする者もいるのでうちで治してみるよと言って車は室蘭に運ばれました。 その後、徒歩10分でホテルに着き、息子は念願の温泉プールです。2時間以上プールと温泉で遊び、夕方になって菅原さんから電話が来ました。不具合は各点火プラグに高電圧を順番に飛ばすディストリビューター。これに付いているコンデンサーが中で断線しているようで、接点をさわるとエンジンが止まったり動いたりするそうなのです。ところが今の車はこのデスビが無く、コンピューター制御のダイレクト点火方式。工場にある車と従業員のも見たがどれにも付いていない。コンデンサーさえあれば直るのだがと言われました。 温泉の夕食でお酒を飲まなかったのは初めてでした。翌朝、宿を出た私たちはバスで室蘭に向かいます。工場に着き整備担当の方に話を聞くと、部品が無いのでコンデンサーを分解してハンダで接点を直してくれたようです。ボンネットを開けると、デスビの横にある3センチ程の小さなコンデンサーが包帯のようにビニールテープで巻かれていました。 こうして行きと同様に高速を通って札幌に無事着き、掛かり付けのルノー札幌に事情を話すと、出先で腕のいいメカニックさんがいる工場で本当に運が良かったですねと言われました。早速、お気に入りのワインを3本菅原さんの工場に送り、家内の思いとは裏腹に、まだキャトルとの生活は続いています。
さて、今月のおすすめワインです。 でも少し樽の風味が欲しいという方にはChボーモン・レ・ピエリエール 07年。有名なボルドー産なのにこの価格で樽のニュアンスが楽しめるのは驚きです。 安旨白を毎日楽しみたいという方にはチリ産の白、コノスル リースリングとポルタ シャルドネとポルタ ソーヴィニヨンブラン。チリにありがちなモッタリ感が無く、豊かな果実味と爽やかな酸味が引き締め、スルスルと美味しく飲めてしまいます。暑い夏には最適なワインです。
藤井 敏彦 |
| 2010年 2月 |
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年が明けて話題の映画「アバター」を見てきました。
今回はボルドーで良い物が見つかりました。シャトー・ラ・フォンテーヌ・ド・ロービエ95年、シャトー・ル・トレフォン86年、シャトー・レ・オード・ポンテ92年の3種はお手ごろ価格で熟成した旨味がたっぷり楽しめます。ただ長期熟成をして瓶底にオリもございます、購入後は数日でも休ませてオリを沈めてからお楽しみ下さい。
藤井 敏彦 |